ENIN LOG

Enin Fujimi の創作活動や近況報告、その他雑記。

June 24 2024

Reaper Preset Organizer について

Reaperを使い始めて早半年。

特に大きなトラブルもなくサクサク曲が作れて快適だったんだけど、最近あることが気になり始めた。

 

プラグインのプリセット管理である。

 

 

Meldaとかみたいに独自のGUIでプリセットを読み書きできるプラグインについては特に問題なくて、めんどいのはPAとかプリセット管理をDAWに依存してる場合。

 

 

たとえばぼくがよく使う bx_console とか。

 

プリセットを作って保存すると自作プリセットの一番下に保存されるんだけど、どうやらReaperは作り溜めたプリセットをアルファベット順にソートする機能がないらしい。

 

 

一応プリセットの順番はいじれるんだけど、メニューから Move Up をクリックして1行ずつ動かすくらいしかできない……

 

マクロ組んだり処理を自動化するスクリプト組んでる先人がいるかなーと小一時間探してみたけど特に情報は見つからず。

 

4年くらい前にぼくと同様の悩みを抱えた人が公式のフォーラムに改善要望出してるけど、未だに改善されてないってことは今後も望み薄かも。

 

まあなければ作ればいいか。

これだけのために他のDAWに乗り換えるのも正直めんどくさいし、キリがない。

 

ちなみにFLとかStudio Oneは当然のごとく bx_console のプリセットリストを自動でアルファベット順にソートしてくれる。

 

Reaperのプラグインの設定ファイルは1つのプラグインにつき1つのファイルでまとめて管理してて、設定ファイルの場所を突き止めてデータを解析したところ中身を書き換えれば順番いじれることがわかったので、Pythonで自動化ツール作ってみた。

 

 

使い方はシンプルで、まずターゲットのプリセットファイルのあるフォルダを探して target_path.ini に保存。

 

 

自動ソートしたいファイル名を1行1ファイルで target_files.ini に保存。

 

 

reaper_preset_organizer.py を右クリックしてPythonから実行。

PythonがPCにインストールされてないと動かないので、ない人は公式サイトとかからインストールしてください。

 

.py ファイルを常にPythonから実行するように設定しとくとダブルクリックだけで target_files.ini で指定したプリセットファイルがアルファベット順に書き換えられます。

 

これで Move Up をぽちぽちするだけの虚無の作業から解放された、バンザイ。楽をするための努力は惜しまない。

 

興味のある方は当サイトのアプリページからどうぞ。


June 22 2024

GIFTというコラボ曲

もうだいぶ前の話ですが、ぼくの現在のメイン活動拠点ニコニコ動画がマザファカハッカーの手によってランサム攻撃に遭ってしまい、せっかく作った新作も発表できずモヤモヤする日々。

 

ニコニコがなければYouTubeに投稿すればいいかといえばそんなことは全然なく、あっちは全然別の世界だと思ってて、ぼくはもともと作曲がメインでMV制作はニコニコで投稿するためのオマケくらいだったので、ニコニコがないとMVを制作するモチベが絶無となる。

 

さて、閑話休題。

タイトルにもある通り、新曲「GIFT」はある友人とのコラボ作品となります。

 

vvaveという新しい国産の音楽投稿サイトに投稿したところ、一時的にですがランキング1位に輝きました。

 

この曲は現在フィンランド在住の流離いのミュージシャン、Beast Soul Noriが作詞を手がけ、ぼくが作曲した合作です。

 

ネット上ではあまり知られてないかもですが、ギターと己の歌声を武器に路上ライブで稼ぎながら世界を渡り歩くファンキーすぎる生き様と実戦で磨き上げられた歌が魅力の漢オブ漢なので、気になった方はぜひ彼のYouTubeチャンネルを見てみてください。

 

 

良いと思ったらいいねとチャンネル登録もよろしく!

 

ぼくが彼に出会ったのは3年くらい前。

埼玉のシェアハウスで暮らしてた時に別の友人の伝で知り合ったのですが、その時に初めて彼の歌を聴いた時のことは今も鮮明に覚えてます。

 

去年の秋くらいに一度日本に戻ってきたので、ぼくの推しのお好み焼き屋で一緒に飯を食いながら語らったんですが、その時に彼がまだ曲ができてない歌詞があるから曲を作ってみないかとオファーがあり、ふたつ返事で引き受けました。

 

自分以外の人が書いた歌詞から曲を作ること自体が初めてだったので、悶々とあーでもないこーでもないと考えながらやがてモチベが尽きて他の曲を作る、といったことを繰り返しながら、3カ月くらいかけてようやく原型となるボーカルのメロディラインができた笑

 

 

その後も彼と同じ弾き語りスタイルにするか、それともピアノ伴奏にするか、いっそエレキギターギュンギュンのロックにするか、と悩みに悩んだ挙句、数年ぶりに平沢進ブームが来てヘビロテしてるうちにストリングスメインで行くか、とその場のノリで決定して1週間くらいでオケ作った。

イメージが固まるとあっという間なんだよなー。

 

 

ボーカルは前々からバラードがすごく合いそうだなと思ってたSynthesizer Vのテトさんに歌ってもらいました。

 

親が子に与える名前の意義といったテーマの曲だから31歳という年齢的にも適任かなと笑

ティーンの女の子じゃ何かピンと来なかった。

 

Beast Soulのリリックには彼の生き様や哲学を感じられるので、またイカス歌詞を持ってきたらたぶん引き受けると思います。

どんな曲になるかはわからんけど笑

 

P.S.

本家ボーカル Beast Soul 版もそのうち出ます。

その際は当サイトでも告知いたします。


June 02 2024

UA Connect 問題

Universal Audio といえば最近タガが外れたようにセール連発してて話題のプラグインメーカーで、ぼくはまだDTM界隈に来て2年そこそこのルーキーだから良く知らなかったんだけど、どうやら名機をたくさん作ってきた老舗のオーディオ機器メーカーらしい。

 

UAの作った名機は色んなメーカーがエミュレーションプラグインを作ってて、元々プロ向けのお高い本家プラグインが8割とか9割引きという気が触れたようなセールで趣味DTMerの手に入るようになれば話題にもなるというもの。

 

ぼくもこのビッグウェーブに乗って LA-2A や 1176 を買って使ってみた。

実機エミュレーション系のプラグインは PA の Shadow hills とか bx_console くらいしか使ったことなかったけど、DAW付属のデジタルコンプだと音が潰れて劣化するレベルのリダクションをかけても音が全然破綻しなくて感動した。

 

シンプルなプラグインの割にはプリセットが豊富で、ボーカルとかギターとかドラムとかにかける時はどういう設定にすれば良いのか勉強にもなる良プラグインだと思った。

 

そんな良いことずくしでおまけにセールで安く手に入るコスパ最強クラスの UADも、実はひとつだけ問題がある。

 

プラグインをインストールする時に UA Connect って管理アプリを使うんだけど、こいつがプラグイン起動時にオンライン認証も行うらしく、常駐させておかないといけない。

 

 

オフラインだとこんなことになる。

 

いや、わかるよ。

悪いのは有料の商品をパクる割れ厨とかいう泥棒どもで、メーカーは身を守るために商品を鍵つきのケースに入れたり対策しないといけないもんね。

 

スタバとかでDTMすることもあるぼくみたいな移動型クリエイターにとっては常時オンライン認証求められるのはめんどくさいんだけど、それだけなら CeVIO も同じだし、まあ我慢できる。

 

でもね、UADくん。

作業中にいきなり「アプデしろ」って画面に割りこんでくるのはやめてくれ。

 

 

創作がノリにノッてる時に邪魔されるのは気に食わない。

DAWを起動してなくても絵を描いてる時にまで画面に割りこんでくるもんだからそのまま衝動的にアンインストールしてしまった。

 

UA Connect の自動アプデを手動に切り替える方法ないか探してみたけど今のところないっぽい。

 

気にしない人は気にしないんだろうけど、あんまりユーザビリティが良いとは言えない気がする。

せめて手動アプデできるようにしてほしい。

 

ネット上じゃ UAD を絶賛する記事ばかりでこういう情報なかったから書いてみました。

UA Connect 問題が解消するまではもう UAD のプラグインは使うことはないと思う。

 

Melda や PA (Plugin Alliance)は常駐アプリも常時オンライン認証も求めてこないしプラグインの質もいいので、ぼくにはうってつけ。

今度ともよろしく。


May 11 2024

終末×紀行コンピ『終末Travelers』

以前に参加したコンピ「終末コンピレーション『終末branchout』」でお世話になった夕立P主催のコンピに再び参加させていただいた。

その名も……

 

終末×紀行コンピ『終末Travelers』

 

2024年春のM3とニコニコ超会議に出品しててそのタイミングで宣伝記事を書くべきだったんだけど、まあ、コロナで死んでたので……

最近BOOTHBandcampでの通信販売も開始したとのことでこの場で宣伝です。

 

Bandcampの方では各トラックを個別に試聴、購入もできるので気に入った楽曲だけほしい! という方もぜひぜひ。

 

CD版は1000円、DL版は500円となります。

 

歌モノとインスト(楽器のみ)が半々くらいでジャンルもバラバラで、前作同様バラエティ豊かな、良い意味でカオスなアルバムとなっております。

 

ぼくは6番目の「亡き世界へのレクイエム」という曲で参加してます。

どんな曲かは実際に曲を聴いてほしいんですが、前回のコンピ曲同様めちゃくちゃ暗いですw

 

 

ボーカルは前回と同じCeVIOのゆかりさん。

何というか彼女の歌声は暗い曲との親和性が高い気がする。

 

最近2.0版のソングボイスがリリースされて、ベタ打ちでもあまり追加の調声が要らなくなったというか、より滑らかに人間らしく歌うようになったように思う。

 

伴奏は前回はほぼシンセのみの近未来的なものでしたが、今回はパイプオルガンのみ。

楽器をひとつに絞った弾き語りスタイルの曲は初挑戦でしたが、試みは成功したといっても差し支えないです。

 

根拠は完成曲をぼくが自然とヘビロテしたからです。

第一のリスナーであるぼくがヘビロテしたくなるかどうかは、楽曲の完成度を示すひとつの指標だと思っている。

 

終末コンピについてですが、終末Recordsというブランドを出していて今後も定期的にアルバムを出していく方針のようなので、ぼくもまた参加すると思います。

お楽しみに。


May 05 2024

VROIDのオリキャラでMMD

MMDとは「MikuMikuDance」の略で、ネット上に無数に配布されてるキャラクターを手軽に動かしてダンス動画とかが作れる素晴らしいツールです。

 

で、ぼくのような一次創作フリークスはオリジナルキャラのモデルを作って動かしてみたいと考えるのですが、3Dモデルを1から作るのはなかなかハードルが高い。

そこでVROIDの出番です。

 

 

VROIDはネトゲのキャラクリのような手軽さでオリジナルキャラを作れる素晴らしいツールです。

開発元はお絵描き投稿サイトで有名なあのPIXIVだそう。

 

 

で、ここで作ったモデルをどうMMDに導入するかですが、まずここからVRMというファイル形式で書き出しします。

 

MMDはVRMファイルに対応してないので、ここからPMXというMMDで使えるファイル形式に変換する必要があります。

VRM2PmxConverter という有志が開発したこれまた素晴らしいツールが存在するのでこれを使わせていただきます。

 

 

モデルを読み込ませて「Convert to PMX」ボタンを押すだけ。

自分でモデリングしてみるとわかるのですが、本来ならモデルを作ったらそれで終りではなくボーンとか剛体とかの難解な設定が必要なのですが、そのへんの設定も全部やってくれます。素晴らしいね。

 

 

ただぼくのモデルの場合、こんな感じに髪の色がファンキーなことになってしまうようなので、これを修正します。

色々情報を漁って試行錯誤しましたが、テクスチャを直接いじるのが一番てっとり早そうです。

 

 

何か適当な画像編集ソフトでテクスチャを開きます。

 

 

一番左の本来の髪の色でこんな感じにコピペして全部塗りつぶします。

 

 

無事解決。やったぜ。

ちなみにこれはPMXエディタというMMD用のPMXモデルを編集するためのツールで、モデルの見栄えとかボーンや剛体の設定とか細かく色々いじれます。

 

 

あとはMMDにPMXモデルを読み込ませて、ネット上にある膨大な宝の山(有志の制作したステージやモーションなど)から好きなものを拝借して読み込ませるだけ。

 

これだけで自キャラのモデルが可愛らしく踊ってくれます。

うーん。素晴らしい。

 

ちなみにVROIDでオリキャラモデルを作る場合、アクセサリーの自作が難しかったり(できなくはない)、顔立ちが似たような感じになりやすいので、こだわりの強いクリエイターは3Dモデリングソフトを使って改造したりします。

 

やり方は色々ありますが、ぼくの場合はVROIDからVRMファイルで書き出してそれをメタセコイアという3Dモデリングソフトにインポートして改造します。

 

メタセコイアは国産の3DモデリングソフトでMMDユーザーに使用者が多く、モデリングに特化しているためBlenderなどの統合3D制作ソフトに比べて操作がシンプルで使いやすいです。

また、追加プラグインなしにVRMやPMDファイルの読み書きに対応してる点も魅力です。

 

 

ぼくのアバターのフジミちゃんは鼻立ちが割とくっきりしてて、VROIDの設定を色々いじって再現を試みたのですが結局満足のいく仕上がりには至らず。

 

編集が完了したらまたVRMファイルとして書き出して、あとはそれを上記の方法でPMXに変換するだけです。

 

いやはや、たくさんの有志の方々が神ツールを無償公開してくれるおかげで本来なら年単位で制作するような3D動画も簡単に作れてしまう。

 

素晴らしい時代になったもんです。