まず始めにこの場を借りて宣伝。
18名のアーティスト達が辿ったそれぞれの終末の記録。
「終末」をテーマにしたコンピレーションアルバム。
ボカロ好きが集まるマストドンインスタンス「ボカロ丼」にて、夕立P主催のコンピに今回参加させていただいた。
ぼくの楽曲は8曲目の「Utopia」という曲です。
この楽曲の構想自体は元々あって、作りかけのプロジェクトをだいぶ前に作って放置していたのですが、元ネタはぼくの小説「白金記」のIFストーリーというか、元々考えてた結末のひとつです。
小説のネタバレはしたくないので詳細は伏せますが、世界の事実上の支配者の一族が世界の「リセット」を実行してしまい、ほとんどの人間が死に絶えた世界を、運良く(悪く)生き残ってしまった少女が彷徨い絶望するという、とてもとても暗い、聴いてるだけで気が滅入ってくるような曲となっております(笑)。
今回起用したのは CeVIO AI 結月ゆかり麗。
買った時からキャラのイメージや声質から、何となくアップテンポなPOPSやEDMとかよりも、しっとりバラードやクラシック、そして今回やったようなアンビエント系のオケに馴染みそうだなと思ってました。
今回の曲はDTM人生で初めて作った5分超の曲で、またDAWをReaperにしてから完成させた最初の曲でもあります。
操作が覚束ずに最初は難航したけど、練習とか勉強は嫌いで実践の中で習得していくスタイルなので、作りながら無理矢理慣らしました(笑)。
今回はストリーミング配信ではなくMP3ファイルの配布という方式だったからか、-7LUFSというラウドネス指定がありました。
ストリーミング配信と比べてずいぶんでかいな、と思ったけどCDとかってそれが普通なのだろうか。
LUFSがどういう単位なのか一言で説明すると、人間の感覚でどのくらい大きな音に聞こえるかという単位ですね。
DAW上だとよくdBがよく用いられてて、これが最大値の0を上回ると音が破綻してぷつぷつノイズが乗ったりするんだけど、曲の構成によって数値と実際聴こえる音の大きさにけっこう乖離があったりする。
ニコニコ動画とかYouTubeとかだと-14とか-15とかに制限されてて、それ以上大きいボリュームの曲を突っ込んでも勝手に小さくされちゃう。
もともとニコニコ動画向けにマスタリングしてたのでぼくの曲も今までそんなもんだったのですが、コンピ参加に伴いミックスやマスタリングの手法を見直す必要性に迫られ、音質を保ったまま音圧を上げるにはどうしたらいいのか、と改めて色々調べたり試行錯誤しながら何とか既定のラウドネス達成。
音も破綻してない。はず。たぶん。
単純にマキシマイザーのフェーダーを無理矢理上げるだけだと音が歪みまくるんですよね。
各周波数帯のバランスを整えたり、音が壊れない程度にコンプレッサーを少しずつ重ねがけして音圧を稼がなきゃいけない。
他のコンピ参加者はDTM歴10年以上(たぶんぼくが一番DTM歴短い)のベテランだったり、5桁6桁再生行くような有名Pだったり、中にはプロとして活動してる人もいたので、ハンパな作品なんか出せないし、かなり気合入りました。
そして本日完成したコンピをダウンロードし、全曲通して聴いてみる。
ジャンルの縛りがなかったからか、各々が自分の音楽性を追究していて良い意味で多様性のある、音楽のサラダボウルというか満漢全席なアルバムとなっていました。
そして気になるお値段、何と無料!!
こんな素晴らしいアルバムを聴き逃すのは、もったいないですよ?
それでは、良いお年を。
最近ReaperというDAW(作曲ソフト)を使い始めた。
DAWとか多少機能の違いはあっても慣れで全部どうにかなるんじゃね
とFL Studioを買ってから最近まで思っていたが、意外とそうでもなかった。
ある日Twitterの動画でこんな感じのピアノロールを見かけて、こう思った。
え、もしかしてピアノロールって全トラック分表示できるもんなの?
最初のDAWがFL Studioだったからか、そんな発想自体がなくて、まさに青天の霹靂、井の中の蛙が大海を知った感じだった。
Reaperの場合、表示できるだけじゃなくて、編集もできたりする。
複数の楽器の旋律が絡みあうような作品の場合、他のパートの譜面を参照して編集する機能があると、こんなにも打ち込みが捗るのか……!
けっこう衝撃的だった。
FLも「同じパターンに限れば」他の楽器の譜面を表示できる。
けど、たとえばここのSYNTHトラックの譜面をPADのコード参照しながら編集したい場合、別パターンになるから重ねて表示できない。
PADの譜面をSYNTHのパターンにコピペとかすればできなくもないけど、まあ作りにくい。
あるいは元も子もないけど、1パターンの中で全部完結させる方法ならパターン間のコピペの工数を減らせる。でもまあ作りにくい。
一般的にEDM向けと言われているFLだけど、ようやくその理由が理解できた気がする。
やっぱ己の音楽性に向いたものを使った方がいいね。
Reaperのグローバル・ピアノロールが、対位法による作曲の効率をだいぶ改善してると実感している。
一応Image-Lineの名誉のために言っておくと、別にFLが他のDAWより劣ってるとかそういうわけじゃなくて、たとえば
ヘヴィメタやりたいならバイオリンよりエレキギター買った方がいいよね
って話。
EDMやりたいって人いたら今でも迷わずFL薦めると思う。
ちなみにグローバル・ピアノロールだけなら、Studio OneとかCubaseとか日本でもっとメジャーなDAWにもついてたりする。
じゃあ何であえてReaperを選んだのか?
最大の理由はコスパです。
お値段びっくり60ドル。
あと軽さ。
ソフト全体で13MBくらいしかないし、ノートPCでもサクサク動く。
最終的にミドルスペックのノートPC環境で作曲することになると思うので、軽ければ軽いほど良い。
便利な機能てんこ盛りでも重けりゃ全部台無し。
軽いは正義。
そのぶん付属音源とかプラグインとかも最低限しかついてないけど、そういうのはサードパーティ製プラグインで補えばいいし。
有志の作ったパッチで日本語化も可。
もしぼくが今DTMを始めるとしたら、やはりReaperを選ぶだろう。
足りないプラグインはMeldaのフリーバンドルで補えばいいし、音源はVitalとかKomplete Startとかフリーでも強力なものがある。
MeldaのフリーEQとコンプ。これ以外にもいっぱい。
無料のくせに強強(ただし一部機能制限あり)。
フリーシンセのVital。
無料のくせに強強(課金するとプリセットが増える)。
ちょっとお金に余裕があればKontaktも買っちゃう。
ファクトリープリセットだけでシンセからオケ音源までひと通り揃っちゃうし、何より世界中に星の数ほどあるKontakt音源へのゲートが開かれる。