
仕事場での昼休み、何気なくメールボックスをチェックしていたら、Paypalくんから身に覚えのない決済の通知が届いていた。
金額は2000円弱、請求元はWondershare。
先月購入した動画編集ソフトFilmoraのメーカーからだった。
?????
Filmoraには買い切り型とサブスク型の2通りの購入方法があるのだが、ぼくが選んだのは買い切り型で、請求が来るはずもない。
商品名はFilmora クリエイティブアセット。
Filmoraに付属するエフェクトの素材の多くが有料サブスクに加入しないと使えないのは知っていたが、月額2000円とけっこうお高いので、無料のと自作エフェクトで凌ぐ腹づもりだった。
有料サブスクに加入した覚えはない。
どういうことか?
Filmoraの購入ページを改めて確認。
金額の下部をよく見ると、しれっと有料サブスクの同時購入に最初からチェック入ってた。
しかも文字が小さくて気づきにくい。
購入画面。
よく見ると小さな文字の同意書のようなものがある。
以下、抜粋。
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この安全な注文を行うことにより、私は、 プライバシーポリシー と サブスクリプションおよび解約条件 、特にその自動更新条件 (サブスクリプション製品にのみ適用) を読み、同意したことを確認します。 また、試用期間終了後、サブスクリプションプランの終了時に更新料が請求されることに同意します。 私は、試用期間が終了する前に、サブスクリプションをキャンセルすることにより、それ以降の料金が請求されないこと、およびWondershareのアカウント設定または カスタマーサポートを通じていつでもサブスクリプションをキャンセルできることを理解しています。
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なるほど、つまりぼくは購入時に有料サブスクの加入に同意したことになってるらしい。
サブスク契約って本来は巧みに誘導されてもクレカとかPayPalとかの決済処理が防波堤になってくれるんだけど、買い切りソフトの購入にくっつければそれを回避できる。
買い物かごをよく確認しなかったぼくに落ち度が全く無いとは言わないが、あんな小さな文字でデフォルトで抱き合わせになっているのは紛らわしいし、Wondershareの評判をちょっと調べると同様の被害報告が複数上がっている。
・Wondershare Filmora は買ってはいけない。kaku
・Filmora 永久ライセンス購入者必見!知らないうちに毎月課金される罠
ユーザーの勘違いという人もいるが、勘違いを誘発しやすい仕組みだとは思う。
こういったユーザーの不意を突くUIは「ダークパターン」と呼ばれていて、詳細については国民生活センターが公開している下記ドキュメントにまとめられている。
国民生活センター発行「国民生活」2024年3月号
▼企業にとって都合のよい選択肢をデフォルトの選択肢にする
購入ページにあるデフォでサブスク加入になってるのがこれ。
▼重要な情報を視覚的に不明瞭にする。
混入されるサブスクの文字が小さくてわかりにくい
▼ある行為を諦めさせる意図で、タスクの流れやインタラクションを必要以上に困難にする
▼サービス登録の容易さに比べて、解約を困難にする
↑ サブスク解約がこれ
Wondershareの公式サイトの購入履歴に返金のボタンがついていたので、一応申請を入れてみたんだけど、価格ドットコムの口コミでも返金されなかったって話あったし金が返ってくる可能性は低い。
購入画面に小さな文字とはいえ同意書みたいなものが掲載されていて慎重な人、注意深い人なら気づけるくらいの微妙なラインなので、詐欺事件として立件したり、民事訴訟で返金を求めたりするのも難しいだろう。
得るものより失うものの方がはるかに大きいし。
でもまあ、こんな不意打ちを食らった以上、ぼくはもう二度とFilmoraなんか使いたくないし、Wondershareという会社にも二度と関わりたくない。
他人にも絶対にお勧めできない。
Macを買ってあんまり懐に余裕はないけど、代わりの映像編集ソフトを購入することにした。
身に覚えのない請求を受けた人が何人もいるのに、サブスクの混入も紛らわしいUIも改善する気がない。
そういう会社なので、ソフトにも何か仕掛けてるんじゃないかと勘繰ってしまう。
過去のMVプロジェクトほぼ全部開けなくなるが、全てのPCからFilmoraをアンインストールしよう。
乗り換え先のソフトについては未定だけど、今のところFinal Cut Proが最有力かな。
Macでしか使えないけど、結局どんなソフトも何らかのきっかけで使えなくなることはあると今回のケースで学んだから、他の映像編集ソフトに乗り換えてもすぐ復元できるようなデータの残し方を考えるとしよう。
画像データだとPSDって業界標準フォーマットがあるけど、映像編集ソフトには今のところそういうのは無さそう。
【2/13追記】
問い合わせフォームとは別に公式サイトの注文履歴に「返金」てボタンがあったのでそっちからも申請してみたら何か通りました。
日本語でクレーム入れて中国語で返信が来たので今度は最初から中国語でクレーム入れてやったのが功を奏したか……?
NI、お前死ぬのか……?
Native Instruments GmbH is in preliminary insolvency - CDM Create Digital Music
KONTAKTやKOMPLETEなどを販売するDTM界では大御所中の大御所であるNative Instruments (NI)が破産、という大事件が起きた。
正確には予備的破産手続きで、日本でいうところの会社更生法による経営再建みたいな状況らしい。
DTMerじゃない人にはピンと来ないかもしれないが、自動車業界で例えるとトヨタが吹っ飛ぶくらいの衝撃です。
NI社のプラグインを1つも使ってないDTMerって結構珍しいんじゃないかな。
かくいうぼくもKONTAKTを始めMassiveとかFM8とかの製品を持ってるし実際に使っている。
また、NI社の子会社にはAIマスタリングで有名なizotopeやアナログエミュレーションプラグインの大御所Brainworxもいて、これらメーカーの開発したプラグインも使う。
特に若いDTMerはマスタリングはOZONEって人も多いんじゃないだろうか。
3年くらい前にNIがizotopeとかBrainworx、さらに多様なプラグインを販売するプラットフォームのPlugin Allianceを買収してSoundwideという新ブランドを立ち上げたのは記憶に新しい。
主力製品群の無料配布でSNS上ではお祭り状態になっていたし、当時配布されていたプラグインの一部は今でも使い続けている。
十分利益が出ていて金が余ってるからこそできるパワープレーだと思っていたし、NIが潰れるなど想像もしていなかった。
最近投げ売りばかりしてるIKの方が先に潰れると思っていた。
一番潰れなさそうなところが潰れる以上、どのメーカーのプラグインも最早安泰ではない。
もはやiLok嫌いとか言ってる場合じゃないかもしれない。
NI自体や製品がどうなるかは誰にもわからない。
Appleが買収して全部Mac専用になるとかSpliceが買収して全部サブスクになるとか色んな噂が飛び交ってるけど、いずれにせよNIやizotope、PAプラグインの依存度は下げた方が良さそう。
音像は変わるかもしれないが、最後に物を言うのは優れた曲を生み出す作曲能力、特定メーカーの音源やプラグインに頼らず環境が変わっても名曲を生み出せる地力、応用力である。
NIがだめなら他のメーカーのプラグインで作ればいい。
そんなこんな!
【2026/1/31追記】
Native Instruments CEO、ニック・ウィリアムズからの声明
NIのCEOから声明が発表された。
どうやらすぐに音源やプラグインが使えなくなるというわけではないらしい。
NIとその傘下企業の音源、プラグインを手放すのは本意ではないので、再建が上手く行くことを願ってやまない。
どうも、Eninです。
新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
さて、いきなり告知ですが、もはや年末の風物詩となった夕立P主催の「終末コンピ」が昨日の23時にリリースされました。
その名も……
様々なジャンルの8名のアーティストによる豪華アルバムが、今年もななな、何と無料……!
※Bandcampでは投げ銭も受付中
今回ぼくは1曲目の「Utopia2 feat.彩澄りりせ」という曲で参加しました。
どんな曲かはぜひともアルバムをダウンロードして聴いてほしいのですが、今回はフルオーケストラ音源を使ったオペラです。
BBC Symphony Orchestraが奏でる荘厳なオケとりりせたんの美声、そしてちょっとアレな歌詞が織りなす調べをご堪能ください。
そんなぼくの曲の次の曲がまた対極となる感じの曲で、そこからまた全然違うイメージの曲に続くんですが、各楽曲のクオリティが高いのと、曲順も考え抜かれてるからか不思議と聴き入ってしまいます。
テーマや縛りが緩めなので皆いつもジャンルも音楽性もバラバラの楽曲を自由奔放に出してくるんですが、それらをコンピアルバムとしてまとめてるの毎回すげーなと思う。
あと、去年1年間に出した作品のメドレー動画を出したのでこちらもぜひお聴きください。
去年の今頃は12曲出したいなんてことを言ってた気がしますが、結果として終末コンピの曲で何とか達成できました。
動画まで含めると10曲(セルフカバー含めて11曲)ですが、まあ量を重視するあまり質がおろそかになったら本末転倒なので、今年も12曲くらいを目安に作品制作してこうかと思います。
てなわけで2026年もよろしくお願いします。
そんなこんな!
AI企業によるメモリ買占めの影響でPC向けのメモリが高騰している。
いずれはAIバブルが弾けて値下がりするだろうが、それがいつになるのかは誰にもわからない。
色んな説が飛び回っているが、少なくとも来年いっぱいはPC(あるいはスマホも)は高騰した状態が続くという見方が多い印象。
PCはぼくの創作活動に不可欠な道具なので、何割か値上がりしたところで必要とあらば躊躇なく買うんだけど、品薄で入手困難という状況は正直困る。
長期間創作活動が断たれた生活など耐えられない。
今創作活動でメインで使ってるパソコンは5年くらい前に組んだ自作PCで今のところノートラブルなんだけど、ずっと電源を入れっぱなしにしてるしそろそろどっかしらのパーツの寿命が来る頃合いだ。
一応ノートパソコンもあるにはあるんだけど、長期間ノートパソコンだけで創作するのはしんどい。
というわけで最新のM4 Mac Miniを購入。
まあ最近メインPCも重めの音源使うとフリーズ頻発してたし、Windows11のUpdateがトラブルだらけなのもあってMacが恋しくなっていたので、思いきって買っちゃった。
お値段びっくり9万円。
ローンは組んでない。
さすが世界のAppleだけあって在庫に余裕があったのか、メモリ不足の影響もなく従来の価格で購入できた。
前に使ってたMac Mini (Late 2012)と比べてだいぶ幅と奥行きが縮まり、ちょっとだけ厚みが増した。
SSD 256GB、メモリ16GBの最小構成。
Macの料金体系はちょっと変わっていて、ストレージやメモリを増やすと指数関数的に値段が上がる。
まるで飛行機のエコノミークラスみたいな最安Mac Mini。
ハイスペ買える富豪に奢られてる感ある。
本来は余裕持ってSSD 2TB、メモリ32GBくらいほしいところなんだけど、この構成だと何と27万円w
さすがに予算オーバーがすぎる。
メモリについては今までも16GBでどうにかやってたし、SSDも外付で簡単に増設できるからまあ何とかなるでしょ。
ケーブルだらけでデスク周りが散らかるがそんなことはどうでもいい、コスパは正義。
早めに購入に踏み切ったおかげで外付SSDもHDDも今よりはだいぶ安めに調達できた。
DTMでの性能についてはまだあんまり試せてないんだけど、BBC Symphony Orchestra Core の全楽器を読み込ませて再生しても全然音飛びしない。
前のPCじゃバッファサイズを最大にしても音飛びすることがあったからだいぶ快適になった。
年末年始は快適にDTMできそう。
そんなこんな!
人間の耳というのは大変いい加減なもので、より大きな音を良い音だと錯覚する性質があるらしい。
なので世に出ている音楽の大半は録音したそのままの音ではなく、コンプレッサーやリミッターを使って音を圧縮し、メディアの許容する音量の限界寸前まで大きく聴こえるように加工されている。
……が、それもまだCDとかが主流だった太古の昔のお話。
ラウドネス・ノーマライゼーションなる音量自動調整機能が標準搭載されたストリーミングサービスが台頭するにつれて、音を荒らさないように慎重にコンプやリミッターを多重がけしてせっかく稼いだ音圧も無効化されるようになり、ラウドネス戦争は終結した。
音の実際の大きさである単位にdB(デシベル)があるけど、それとはまた別に人間の聴感を基準にしたLUFSという値が存在する。
いわゆる音圧とかラウドネスとか呼ばれるやつです。
dB値が低くてもLUFSの値が大きければ大きいほど音圧は高く、実際に大きく聴こえる。
そのLUFSもさらに計測時間の長さで Momentary, Short, Integrated の3種類あって、具体的な計測時間は Momentary 0.4秒、Short 3秒、Integrated 曲全体、らしい。
具体的にラウドネス・ノーマライゼーションがどのLUFS値を基準にしてるか調べたところ、ニコニコ公式ページに「Integrated」と記載があった。
曲全体のラウドネス平均で判断されるので、ダイナミクス(音量の抑揚みたいなアレ)を犠牲にしてまで音圧を稼ぐ必要がなくなったというわけだ。
YouTube公式の推奨LUFSは-14らしいが、ニコニコみたいに具体的な説明ページは見当たらず、詳細は不明。
サブスク音楽配信サービスはまだ曲を公開していないので今回は検証の対象外だが、Spotify公式ページに -14LUFS (integrated)って書いてあった……気がする。
公式の情報をそのまま鵜呑みにするなら -14LUFS が最適解なんだろうけど、ちょっと前にXでDTMerのフォロワーさんが実際何LUFSくらいで曲をアップロードしてるのかアンケートをとってて、-8 ~ 10LUFSくらいって人も少なからずいたので、実際に検証してみることにした。
まずLUFS値(Integrated)を -7、-10、-14くらいにした同じ曲のサンプルデータを用意する。
それらをニコニコとYouTubeにアップロードし、PC上で再生させて録音し、再度LUFS値を計測してみる。
サンプルは完成したばかりのぼくのオリジナル曲。
夕立Pの終末コンピに出すやつなので、年末に公開予定です。
-7 LUFS のテストデータ波形(ReaperでWAV書き出しした時のスクショ)。
-10 LUFS のテストデータ波形。
-14 LUFS のテストデータ波形。
まずはYouTube。
元データ -7 LUFS
再計測値はリミッターに削られないようにわざと低めに設定してある。
元データ -10 LUFS
元データ -14 LUFS
検証結果:YouTubeではラウドネス・ノーマライゼーションの影響をほぼ受けない。
ただ、YouTubeの設定を確認したら音量の自動設定機能がオフになっててグレーアウトしてた。
ぼくはYouTubeプレミアム課金はしてないんですが、YouTubeプレミアム限定の機能なのだろうか?
次にニコニコ。
こちらは音量の自動調整が切り替え可能だった(プレミアム会員だから?)。
まずは自動調整ONで検証。
元データ -7 LUFS
元データ -10 LUFS
元データ -14 LUFS
検証結果:元データのラウドネスに関係なく同じLUFS値になるように調節される。
今度は自動音量調節をOFFにしてみる。
元データ -7 LUFS
元データ -10 LUFS
元データ -14 LUFS
検証結果:ラウドネス・ノーマライゼーションの影響なし(当り前)。
結論。
音量の自動調節ONにする人とOFFにする人のどちらをターゲットにするかで最適なラウドネス値は変わる。
実際音量の自動調節切って聴く人ってどのくらいいるんだろうね。
ぼくはあんまり爆音で音楽聴かない派なので日頃は自動調整ONにしてます。
まあバランスをとって -10 LUFS くらいで投稿するのがいいんじゃないかって気はした。
つまりだいたい今まで通りですね。
そんなこんな!